特許行政年次報告書2017年版が、11月の知財検定1級学科試験に出題されるか?
2017年6月末頃に、特許行政年次報告書2017年版~知をつなぎ時代を創る知的財産制度~が特許庁より公表されました。
冒頭特集として、特許庁の「第四次産業革命」への対応が掲載されています。
「IoT(Internet of Things」、「ビッグデータ」、「AI(人工知能)」 などへの対応に関する特許庁の取組が紹介されています。
IoT関連技術の近年の急速な発展に伴い、 同技術の特許出願の動向や、どのような発明が特許になっているのかを把握したいというニーズが高まっています。
これを受け、特許庁は、 2016年11月に広域ファセット分類記号「ZIT」を新設し、世界に先駆けてIoT 関連技術の分類付与を開始しました。
特許行政年次報告書の内容は、知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の学科試験の過去問に頻繁に出題されています。
実技試験の過去問に登場したこともあります。
では、この特許行政年次報告書の2017年版の内容が、今年(2017年)11月の知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の学科試験に出題されるのでしょうか?
これまでの実績・傾向から判断すれば、答えは、「ノー」です。
それは、2017年5月1日時点では、まだ特許行政年次報告書 2017年版が公表されていないためです。
2017年11月の知的財産管理技能検定試験は、2017年5月1日時点で施行されている法令等が試験範囲となります。
判例やこの特許行政年次報告書についても、試験日から6月前の月初となる「5月1日」が基準日として準用されているようです。
今年(2017年)11月の知財検定1級(特許専門業務)の学科試験に出題されるとすれば、それは2016年版の特許行政年次報告書~イノベーション・システムを支える知的財産~の内容ということになります。
これまで、何度も特許行政年次報告書は、1級特許の学科試験問題の素材とされてきましたが、1年前のものが出題されています。
ただし、上記の、広域ファセット分類記号「ZIT」の新設などに関しては2016年11月に実施済みということですので、2017年の特許専門業務の学科試験で問われる可能性があります。
また、2018年3月の特許専門業務の実技試験では、特許行政年次報告書 2017年版に関する内容が問われる可能性があります。
ちなみに、2016年11月に行われた第25回知財検定の学科試験では、「特許行政年次報告書(2015年版)」に関する問題は出題されませんでした。
ただし、その前の2016年3月に行われた第23回知財検定の1級特許専門業務の実技試験で、2015年版が出題されています。
※知的財産管理技能検定1級について
知的財産管理技能検定1級の合格のために
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知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)過去問における特許行政年次報告書
知的財産管理技能検定1級特許専門業務の学科試験における、特許行政年次報告書の出題状況は次のとおりです。
2010年版から2015年版まで、各1回、必ず出題されているという状況です。
この傾向が続くとすれば、2016年販は、今年すなわち2017年11月の特許専門業務の学科試験で出題される可能性があります。
2017年3月に実施された特許専門業務の実技試験は、特許行政年次報告書の2016年版が出題され得る最初の機会でしたが、出題はありませんでした。
毎年の特許行政年次報告書から1回、出題される傾向が踏襲されるとすれば、2016年版が出題される機会は、2017年11月の「第28回 知的財産管理技能検定試験」を残すのみとなります。
2017年11月の特許専門業務の学科試験を受験される方は、2016年版に目を通しておかれることをお勧めします。
※結局、第29回試験の問4~6で、「特許行政年次報告書2016年版」に関する出題がありました。
2017年版は、2018年3月の第29回試験(特許の実技試験)や2018年11月の第31回試験(特許の学科試験)にて出題される可能性があります。
第28回試験(学科)(2017年11月): 問4~6
「特許行政年次報告書2016年版」~イノベーション・システムを支える知的財産~
第25回試験(学科)(2016年11月): 出題なし
2015年版は、第23回試験(特許専門業務の実技試験)にて出題されています。
第22回試験(学科)(2015年11月): 問4~6
「特許行政年次報告書2014年版」~世界最速かつ最高品質の知的財産システムの実現に向けて~
第19回試験(学科)(2014年11月): 問4
「特許行政年次報告書2013年版」~グローバルイノベーションサイクルを促進する知的財産システムの構築~
第16回試験(学科)(2013年11月): 問34
「特許行政年次報告書2012年版」~グローバルな知的財産システムの実現に向けた競争と協調~
第13回試験(学科)(2012年11月): 問4~6
「特許行政年次報告書2011年版」 ~グローバル化に対応した知的財産システムの強化~
第9回試験(学科)(2011年7月): 問38~40
「特許行政年次報告書2010年版」~125周年を迎えた産業財産権制度~
実技試験における、特許行政年次報告書の出題状況は次のとおりです。
第23回試験(実技)(2016年3月): Part I (問1~2)
「特許行政年次報告書2015年版」~130年の産業発展を支えてきた産業財産権制度~
・・・このように、毎年度の年次報告書は1回ずつ、特許専門業務の学科試験または実技試験の素材とされています。
※ 知的財産管理技能検定1級について
知的財産管理技能検定1級の合格のために
国家検定 知財検定1級 合格マニュアル

2018年版の合格マニュアルは、コンテンツ専門業務用は1月末、特許専門業務用は3月末頃に発行予定です。
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特許行政年次報告書とは?

特許行政年次報告書2017年版 ~知をつなぎ時代を創る知的財産制度~
→2018年3月の特許専門業務の実技試験、2018年11月の学科試験で出題の素材とされる可能性があります。
特許行政年次報告書とは、知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報、特許庁の取組等を基に取りまとめられた報告書です。
「特許」に限らず、意匠権、商標権等についても報告されています。
別冊の〈統計・資料編〉においては、本報告書中の図表等 の基礎となる統計情報を含め、知的財産に関する各種統計・資料を紹介しています
特許行政年次報告書は、毎年6月頃に、特許庁が発行しています。
特許庁のWebサイトから、PDF形式で閲覧・ダウンロードすることが可能です。
また、冊子(印刷物)やDVD版も下記の窓口にて無償配布されています。(在庫がなくなり次第終了)
・特許庁 出願課受付カウンター及び国際出願室受付カウンター
・工業所有権情報・研修館(INPIT)相談窓口
・知財総合支援窓口(冊子版のみ)

特許行政年次報告書2016年版 ~イノベーション・システムを支える知的財産~
→2017年11月の特許専門業務の学科試験で出題の素材とされる可能性があります。
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